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“インスタ映え”する料理の美味しい撮影テク。永久保存版!_02:セッティングと加工編

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文=友永文博

  “インスタ映え”する料理の撮影ポイント、第2弾です。前回は写真の基本となる、光とアングルのルールでした。今回は出来上がりをさらに魅力的にする、セッティングと加工について。では2人のインスタグラマーの方々の実例から見ていきましょう。

料理が美味しそうに見えるセッティングとは?

 光とアングルという写真のベースとなる2つをマスターしたら、次はより美味しく見せるためのプラスアルファの工夫についてです。それが料理の背景や配置といったシーンセッティング。撮った写真から何かストーリーや、撮影者のフィーリングが感じられるようなら、見ている人はぐっと惹き込まれますよ。さっそくサンプルを見てみましょう。

1. シンプルな背景を選ぶ

 セッティングで気をつけるべきは、何よりシンプルな背景を選ぶこと。周囲がごちゃごちゃしていると、伝えたい料理に見てくれている人の目が向きません。当然ですよね。そして背景の色は黒、白、ベージュ、ブラウンなどナチュラルな印象のカラーだと、どんな料理とも好相性のはず。

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ex.①_KUMICOさん:白い器を引き立てようと黒の布を下に敷きました。色のコントラストをはっきりさせるために、光があまり当たらない場所で撮影。ケーキをカットして皿に乗せ、くり抜いた部分にはカトラリーをプラス。料理本に掲載されているスイーツ風に。白い布を敷けば透明感が出ます。ケーキをくり抜いた部分や、2つの皿がバランス良く見えるように、アングルはほぼ真上から。ただ完全に真上だとシルバーのカトラリーにiPhoneが映り込んだので、少し下にずらしました。

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ex.②_KUMICOさん:ナチュラルな雰囲気を出すために白いボードを敷いています。また縁取りのあるお皿を使用することで、写真が引き締まります。レースのカーテン越しの自然光で撮影しました。​やわらかい光が入ってくるので、家で作った料理を撮るときは、このパターンが多いです。

2. 大きな器に小さく盛り付ける

 料理を美味しく見せるために、盛り付けはとても重要です。“山盛りの豪快さ”も時には魅力的ですが、やはりセンス良く、そして「この料理、自分も食べてみたいなあ」とそそられるのは、やや控えめなボリュームではないでしょうか。“大きな器に少しだけ”は、料理写真の美味しさをワンランクアップさせる万能テクニックの一つです。

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ex.③_KUMICOさん:黒と白の器をベースに配色を考えて、料理を盛り付けています。おにぎりも竹ザルに盛ることで、モダンな和の食卓に。テーブルの下に映るカーペットの上下の配分も、同じくらいになるよう意識。料理だけでなく器の美しさも収めたかったので、ソファーに立って真上からサイド光で撮影。近すぎると自分の影が入ったため、ズームを使用しました。

3. 小物を加えたり、わざと食事途中を撮影して臨場感を演出

 料理そのものを美味しそうに見せることはもちろんですが、そのシチュエーションが楽しそう、素敵だな、と思ってもらえることは、もしかすると最も大切なことなのかもしれません。そんなわけでちょっと工夫を凝らして、シーンを生き生きとさせるライブ感を演出してみましょう。

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ex.④_sonekanaさん:友人や家族で食卓を囲むときの料理写真では、普段より品数も多いので、わざと斜め30〜45度の角度で横から撮影し、奥行きを出します。箸やカトラリーを加えたり、料理を取り分ける手を入れたり、動きのある楽しそうな雰囲気も演出しました。大きなお皿を使う場合も盛りすぎず、十分に余白をとって高く盛り付けるよう気をつけて。逆光を使って露出加工で明るく調整します。明瞭度を上げて料理の素材感も見えるようにしています。

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ex.⑤_KUMICOさん:パリのレストランでの食事シーンです。向かいに座る相手の料理を少し入れて「友人との楽しいランチタイム」を演出しました。ビールをプラスして季節感を出​しています。テーブルの上が、グラスやカトラリーでごちゃごちゃしていたため、それらがあまり入らないよう料理中心&スクエアで撮影。またテーブルの色が料理とマッチしていたのを生かし、寄り過ぎないようにしています(テーブルがいま一つの場合は、思い切って寄ることも)。晴天でひさしのあるテラス席だったため、ノーマル撮影。屋外でフィルターを使用すると、明るくなりすぎることがあるので注意しました。余計な光が入ってこないため、どの角度からでも撮影しやすかったです。

4. シズル感アップにはドリンクやガラスを利用

 セッティングの中に、透明な液体やガラスがあると光が透けて見えるので、写真にみずみずしさが加わります。またグラスに入った赤ワインや白ワインは、画面に色の変化をつけるためにも効果的。それに何より、食卓がとても豊かに感じられますよね。

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ex.⑥_sonekanaさん:フルーツや野菜が多い朝食シーンの写真。窓の方向にガラスものを置くと、光が透過してみずみずしさが表現しやすいです。画角の外側から植物や花を少し添えるだけでもおしゃれ感がプラス。ランチョンマットを使う場合、料理が引き立つシンプルなものがベターです。

オススメのフィルター&加工はこれ

 最後にやや上級編にはなりますが、ソフトフォーカスやフィルター使用、撮影後の加工といった小技の幾つかを紹介します。うまくハマれば、予想以上の効果が期待できますよ。ここまでにご紹介した基本をマスターした後には、ぜひトライしてみてください。

5.ボカシ効果を使ってニュアンスプラス

 まずはボカシ効果を取り入れた写真。これは料理の最も伝えたい部分に焦点を絞ったように強調して、周囲はボカすという加工。その場の空気感が伝わってくるようで、よりエモーショナルな写真に仕上がります。次の2つを比べてみましょう。

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左はノーマル撮影後、加工なし。右はインスタグラムの写真編集機能「チルトシフト」を使って、奥をぼかしたもの。より柔らかな印象になる上に、手前のクッキーに目が留まります。

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ex.⑦_sonekanaさん:メインの料理が引き立つようにそこだけにピントを当てて、周囲をボカしニュアンスを出しました。見切れる程度に瓶やグラスを写り込ませて透明感をプラスします。整いすぎず、雑に並べられたくらいの配置がカジュアルで楽しそうな雰囲気を演出します。料理の配置は隙間を開けすぎず、やや詰め気味かなと思うくらいがちょうど良く撮れます。

6. 状況に合ったフィルターを使って、雰囲気を強調

 最終的なビジュアルイメージができていれば、それに合ったシーンを設定し、さらに加工を施すことで、よりゴールに近づけることも可能です。色味を落ち着かせる、陰影に強弱をつけるなど多彩なフィルター&加工法がありますが、あまり目移りせずに、自分の気に入ったものを見つけたら幾つかに絞って、それを使いこなすことが大切です。

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ex.⑧_KUMICOさん:雨天の屋内で暗めでした。真上にライトがありノーマルで撮るとぼんやりし、明るさを調整すると黄色く光る感じになったため、却下。雰囲気のあるカフェだったので、落ち着いた色味になるフィルター(LINE cameraの「ピュア」)を使用してレトロっぽさをフィーチャーしました。サンドイッチの具材がキレイに見えるよう配慮。また右上に空いているお皿を置き、テーブルの上に反射する光をカバーしています。

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ex.⑨_KUMICOさん:クロワッサンをあえてサイド寄りに置いて、バランスを見ながら撮影。真正面から撮ると絵になりにくい素材は、位置を少しずらすのもひとつの方法。左のノーマルのままの写真よりも、Instagramのフィルター「Clarendon」で加工すれば、右のようにより鮮やかな出来映えに。こうばしい香りが、漂ってきそうですね。

 KUMICOさんがよく利用しているそのほかのフィルターは、シャープ&鮮明に映るのでとの理由からLINE cameraの「キッチン」。またiPhone内臓カメラのフィルター「クローム」もオススメとのこと。「天候によっては、写真が黄色っぽくなることもありますが、その場合は後で加工します。『アルバム→編集機能→カラー』で『色かぶり』を選び、左にスライドすると白っぽく仕上がります」。
 一方、sonekanaさんは基本的に「VSCO」という加工アプリを使用。場合によっては撮影後の画像調整で明度とシャープネスを上げることも多いそう。
 フィルターや加工テクニックは実に多彩。上でも書きましたが、実際に試して仕上がりに納得したものを2、3見つけ、それを使い分けるのが現実的です。そのほうが自分のインスタサイトに統一感も出て、センス良く見えます。今回の2回の記事を参考にして、美味しい料理写真をどしどしポストしてくださいね!

“インスタ映え”する料理のおいしい撮影テク。永久保存版!_01:光とアングル編はこちら

協力いただいたインスタグラマー

sonoekana

曽根加南子。東京在住。大手アパレルや広告代理店の勤務を経て、現在はフリーランスのPR、ライター、そして主婦。料理好きで、旦那さまへの愛情あふれる“オット弁当”を『Spark GINGER–ソトナカごはん』にて連載中。
Instagramはこちら >https://www.instagram.com/sonekana/?hl=ja

KUMICO

石川久美子。大阪在住。アパレルメーカー勤務を経て、主にファッションと食をテーマとするライターに。特にリアルなパリ流スタイルの提案に定評あり。『FRANCE365』での連載ほか、『DRESS』や『Spark Ginger』にも執筆中。
Instagramはこちら >https://www.instagram.com/kumiroux/