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日光彫と奥日光(後編)ワンデイ・トリップ with FIAT × MIJP

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文=友永文博 写真=太田隆生

イタリア人も愛した中禅寺湖畔の風光明媚

 いろは坂を越えると視界が一気に開けます。中禅寺湖を右手に、日光山輪王寺の別院、中禅寺・立木観音を過ぎればもうすぐ『イタリア大使館別荘記念公園』。最寄りの歌ヶ浜駐車場からは、市道脇の小道を通り徒歩10分ほどです。昨年、道の途中に『英国大使館記念公園』もオープンしました。
 木々の間からやがて見えてくる建物。杉皮で覆われた外観が年月を経て風景に溶け込み、静かなる威厳を放っています。この本邸は、イタリア大使館の別荘として昭和3年から平成9年までの69年間使用されたものをいったん解体後、復元。平成13年から一般公開しています。設計者はチェコ出身のアメリカ人建築家アノトニン・レーモンド。フランク・ロイド・ライトの下で研鑽を積み、東京の帝国ホテルの設計監理のためライトとともに来日。その後、通算43年にわたり日本で活躍し、数々の名建築を残した人物です。

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上:2階の眺望室(大使の間)の壁には歴代大使の肖像画がかかる。左上が初代、ラッファエレ・ウリッセ・バルボラーニ公使(1877〜1881年)。下:渋色の杉皮で覆われた外装で、周囲の風景に美しくマッチする本邸外観。公園内には副邸もあり、『国際避暑地歴史館』として中禅寺湖畔の歴史を写真と映像で紹介している。

往時を彷彿とさせる国際避暑地のシンボル

 玄関から入ってすぐに広々としたリビング。眼前の格子窓越しに望む中禅寺湖のパノラマに心を奪われます。復元にあたっては床材や建具・家具など、できる限り再利用。暖炉や外周りのガラス戸・窓、階段、食器類などはオリジナルのままだそう。当時の大使の生活を身近に感じながら室内を見学すると、内装で目につくのが、外壁と同様、杉皮を用いた天井と内壁。暖炉上は「市松張り」、天井では「網代張り」「矢羽張り」としつらえを変え、空間を彩る重要な意匠となっています。

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右上:暖炉は昭和初期からのもの。解体復元工事の際は、この部分を残し解体された。右下:階段も当初の資材を再利用。左上:広縁の窓から望む中禅寺湖の景観は、まさに一幅の絵画。左下:天井は杉皮の「網代張り」と「矢羽張り」を組み合わせて。

 屋外に出てみると、本邸の裏から湖面に伸びる桟橋の上に、結婚式用の衣装で着飾ってポーズをとる男女が。聞こえてくるのは外国語。どうやらアジアから訪れたカメラマンとスタイリストが、日本人モデルで撮影をしているようでした。今もこの地は世界中の人々を惹きつけてやみません。雄大な湖と山々を背景に、彼らもきっと納得の一枚を手にしたことでしょう。

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上:昨年改修された桟橋。光を映し、刻々と表情を変える湖面が美しい。下:隣接する『英国大使館別荘記念公園』の開園を機に誕生した2つのジグソーパズル各¥1,500(税込)。目下、売店の土産品の一番人気。売店ではエスプレッソなど軽食も販売(本邸内の1室のみで飲食可)。

SHOP DATA

地名 イタリア大使館別荘記念公園
住所 栃木県日光市宮祠2482
電話番号 0288-55-0880(県立日光自然博物館)
営業時間 9:00~17:00(4月、11月11〜30日は~16:00)
定休日 無休(4、5、11月は月曜休。祝日の場合は翌日)*12~3月は休館のため建物内は入室不可
観覧料 大人¥200円(『英国大使館別荘記念公園』との共通券¥300)
Webサイト http://www.nikko-nsm.co.jp/building/Italia

進化する老舗リゾートホテルへ

 公園の散策の後に向かったのは名門『中禅寺金谷ホテル』。カジュアルなコーヒーハウス『ユーコン』での昼食は、当初から旅の外せない目的の一つでした。お目当は名物〈百年ライスカレー〉。2000年代初めに創業家、金谷家の土蔵で発見された秘伝のレシピをもとに、試行錯誤の末に復刻したという人気メニュー。ココナッツミルクをたっぷり使い、別に調理し下味を付けた具材と最後に合わせます。ほんのりした甘味・酸味を追いかけてくるスパイスの複雑な辛味。独特の風味に一度食べるとファンとなる食通も多いとか。

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右:〈百年ライスカレー〉のネーミングは小山薫堂氏によるもの。ヨーグルト付きで具材を野菜(¥1,700)、ビーフ、チキン、トラウト(以上¥1,750)から選べる。土・日・祝日限定で〈百年カレーパイ〉(¥324)もある。本館のダイニング「みずなら」ではコースメニュー(¥3,240)として提供。左:『ユーコン』は丸太を使用したログハウス風の趣。国道沿いにあり、広い駐車場も備えているのでドライブ中に気軽に立ち寄れる。*価格はすべて税込

 また、うまく時間帯が合えばぜひお勧めしたいのが、温泉施設「空ぶろ」の立ち寄り湯。内湯と露天風呂があり、日光湯元から引いた源泉をかけ流し。露天に浸かり、開けた頭上の景色を眺めれば気分一新、旅の疲れも癒される。予約は不要。ホテルフロントで受け付けを済ませれば、タオル類を無料で貸し出してくれるので気軽に利用できるのです。

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右上:自慢の天然温泉施設「空ぶろ」は2011年 にリニューアルオープン。泉質は乳白色の硫黄泉。男女別に内湯、露天のほかサウナ室がある(photo by Takanori Chiba)。右下:本館とは別棟になる「空ぶろ」。左上:旅情を誘う、ログハウス風の丸太のあしらいが目を引く本館外観。左下:窓の外はみずならの林。ロビー中央にある暖炉には冬期は夕刻から火が入る。

SHOP DATA

ホテル名 中禅寺金谷ホテル
住所 栃木県日光市中宮祠2482
電話番号 0288-55-0880(県立日光自然博物館)
チェックイン / チェックアウト 14:30 / 11:00
宿泊料 ¥24,882~(1泊2食付・1室2名利用時/税・サ込)
営業時間 10:00〜16:00
定休日 水曜休(祝日の場合は営業、8月と10月は無休)
*2017年は11月下旬まで営業予定
『空ぶろ』営業時間 13:00〜16:00
料金:大人¥1,300(『ユーコン』利用の場合は割引あり)
Webサイト http://www.kanayahotel.co.jp/ckh

人と自然がふれ合う、湖畔のボートハウス

 さらにもう一つ、道を挟んで『ユーコン』の向かいの『中禅寺湖畔ボートハウス』に立ち寄ってみるのもいいでしょう。この施設は戦後、米軍の要請により湖のボード遊びの拠点として『日光観光ホテル』(現『中禅寺金谷ホテル』)が建てたもの。頻繁にパーティも開かれるなど、華やかな社交の拠点でもあった場所です。現在は栃木県によって復元され、無料で見学が可能。とりわけ2階のウッドデッキからの眺望は一見の価値あり。1階には当時使用していたボートや、貴重な写真資料などが展示されています。

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上:2階デッキからの眺めは抜群。ホールでは無料でお茶が提供され、夕日観賞などイベントも随時開催される。下:元はベルギー王国大使館別荘所有のボート「バッソンピエール」号。オールと櫓・櫂を備えた和洋折衷の仕様が特徴。階段脇の壁には、往時の優雅なボート遊びの様子を収めた写真が飾られている。

SHOP DATA

店名 中禅寺湖畔ボートハウス
住所 栃木県日光市宮祠2485-8
電話番号 0288-55-0880(県立日光自然博物館)
営業時間 9:00~17:00(4月、11月11〜30日は~16:00)
定休日 無休(4、5、11月は水曜休。祝日の場合は翌日)*12~3月は休館のため建物内は入室不可
Webサイト http://www.nikko-nsm.co.jp/building/boathouse

 ホテル周辺でリフレッシュした後は、戦場ヶ原まで足を延ばして雄大な景色を見物するもよし、市街へ戻りつつ東照宮に参拝するもよし。あるいは思いきって旅程を延長し、鬼怒川温泉に宿をとり、「東京の奥座敷」と呼ばれた風情を楽しむことも。日光へのワンデイ・トリップはバリエーションも多彩。都心からクルマで約2時間。新緑の季節、成熟した避暑地へのドライブにぜひ出かけてみてください。

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赤いソフトトップが映える、後ろ姿も魅力的な500C。

『FIAT 宇都宮』
 長きにわたりFIAT車を扱う『FIAT 宇都宮』。旅の最後は、そんな地域のクルマファンが集う拠点を訪問。マネジャーとしてスタッフをリードする重川弘一さんに、FCAジャパンのマーケティング本部長ティツィアナ・アランプレセが話を聞きました。
 「戦前から各国大使館の方々が車で訪れた日光。そのためこの辺りは成熟したクルマ文化が根付き、近辺にヴィンテージカーのレストアを手がけるお店もあります。そんな中にあって、500は若い女性から年配の男性まで大変人気。500を購入して以降、車での外出が楽しくなって「生活が変わった!」とおっしゃる方も多い。愛車を末長く可愛がっていただくためにも、私たちは日頃からお客様とのお付き合いを大切しています。今後はイタリアの魅力を、もっとトータルに発信していけるといいですね。また一方で、今回のように、地元の名品に新たな光を当てていただくのはとても嬉しいこと。イタリアと栃木、互いの魅力を高め合えるよう、ローカルなイベントにも力を入れていくつもりです」

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MIJPとは?

イタリアでは「アルチザン」、日本では「職人」と呼ばれ、
それぞれの優れた伝統文化とその技術を受け継ぐとともに、
日常の中で実際に使われ、愛される「ものづくり」に魂を込めている人々がいます。

イタリアの「ものづくり」文化を代表するFIATでは、
日本の文化ともっと交流し、もっとCuore(クオーレ:心)を通わせ合いたいとの想いから、
ひとつの特別なプロジェクトを立ち上げました。

それは、日本の「ものづくり」文化継承を目的にするNPO法人
「メイド・イン・ジャパン・プロジェクト」とのコラボレーションによって、
日本の優れた伝統工芸品に、新たな光をあてる活動です。

文化が出会い、心がつながり、笑顔を育んでいくこの取り組みに、
これからも、ぜひご注目ください。

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