ゆっくり生きよう・にっこり走ろう

人にも環境にも自分にも優しくいきる。それがフィアットカルチャーです。

背が高い車をスムーズに運転するコツとは?

趣味人やファミリー層を中心に、根強い支持を得ているのが広い室内空間をもつクルマたち。なかでも狭い道や駐車場が多い日本の交通環境では、できるだけ取り回しがしやすいサイズで、使いやすさを実現したクルマが好まれる傾向にあります。

室内空間の広いクルマは乗員がゆったりくつろげたり、荷物がたくさん積み込めたりと実用面でのメリットは多いですが、一方で車両重量が重く、天井が高いぶん重心が高くなりがちであるなど、走行面ではマイナスの影響をもたらしやすい一面もあります。

でも本来はレジャーや多人数の移動に使われるクルマだからこそ、同乗者や荷物を安全・快適に運びたいところ。そこで今回は、そうした重心が高いクルマをスムーズに走らせるコツをご紹介したいと思います。

背が高いクルマを乗りこなそう!

発進時やブレーキの加減速、カーブの走らせ方によって、乗員の身体の揺れ具合は大きく変わります。大切なのは、“急発進”、“急ハンドル”、“急ブレーキ”など、“急”な動作を避けること。そうはいっても、交通の流れにも乗らないといけないので、周りのペースに合わせながらスムーズなドライビングを実現するためにはある程度コツが必要になってきます。では日頃のドライブでどんな点を心掛けたらいいのか、一緒に考えていきましょう!

今回試乗したモデルは、日本の交通環境で扱いやすい5ナンバーサイズのコンパクトカーとして人気のFIAT Panda。狭い道のすれ違いも安心して走れ、イタリア車らしい愛着がわくデザインが魅力的なモデル。ボディサイズは全長3655mm×全幅1645mm×全高1550mmで、FIAT 500 と比べると、Pandaの全高は30mm高い。そのぶん、わずかながら重心は高い。

発進するとき

走り出して最初に意識したいのは、加速時のアクセルワーク。
「さぁ、行くぞ!」と言わんばかりにアクセルペダルを急激に踏み込んだり、逆に車速が乗り過ぎてペダルの踏力を急に弱めたりと頻繁にブレーキとアクセルペダルを踏み換えるような運転では、クルマは前後に揺すられてしまいます。

アクセルペダルは一気に踏み込むのではなく、軽く踏んで車速が上がってくるのを待つようなイメージで走らせると加速が一定となり、乗員の身体が前後に揺られるのを防げます。

カーブの走行

重心が高いクルマが最もフラつきやすいのは、カーブを通過する時。カーブの途中でハンドルを一気に大きく切りすぎると、慣性力が働いてグラリと横に揺すられたり、実際の走行ラインがイメージしていたよりも外側に膨らんだりと不安定な挙動を招きます。

カーブの手前から走行ラインをイメージすることが大事。急激にハンドルを切るとグラつきやすくなる。

カーブをスムーズに通過するには、適切な速度で進入することが大事。そのためには、走行中はなるべく遠くに目線を送り、道路状況を先読みしながら走るように心掛けます。カーブに差し掛かる手前の段階で、あらかじめ減速を終わらせる意識をもつことがスムーズな運転の第一歩です。

そしてカーブに差し掛かったら、減速した分だけハンドルを切り増していくイメージ。クルマの向きが十分に変わってカーブの出口が見えてきたら、ハンドルを戻した分だけ、アクセルペダルを踏み足していきましょう。

目線を先の方に送りながら走ると、カーブを通過する時の走行ラインや、立ち上がりがイメージしやすい。コースを見ながら必要な動作を逆算して考えることが大事。

また、カーブの内側をキープして走り続けると、走行ラインの曲率がキツくなり、クルマはグラつきやすく、タイヤの負担も大きくなってしまいます。車線内をできるだけなだらかな曲線を描いて通過するように心掛けるとタイヤの負担も少なく、スムーズにカーブを走り抜けることができます。

ブレーキの踏み方

普段当たり前にやっているようで、実は奥が深いのがブレーキ。スムーズに走るには繊細な操作が欠かせません。急なブレーキ操作や、止まり際に強い制動力を残したままだと、同乗者を不安な気持ちにさせたり、身体や荷物が大きく揺すられたりしてしまうことも。

信号が赤に変わると気づいたら、アクセルペダルから足を離して、加速も減速もしていない“空走状態”をつくりだし、クルマが前後に揺すられない水平な姿勢をキープします。

あとは、目標停車位置を先読みし、止まれる位置を見定めてブレーキングを開始。ブレーキペダルの踏み始めの直後に少し力を込めてしっかりブレーキを効かせながら、止まり際に踏力を緩めていくと、乗員の身体が前後方向に揺すられる“つんのめり感”を防げます。また、アクセルもブレーキ操作もかかとをしっかりと床につけ、そこを支点にすることで繊細なコントロールがしやすくなります。

繊細な操作を身に付けるには、日々の心掛けから。意識してトレーニングを続けることが、思いやり運転の上達に向けた第一歩なのです!

藤島知子
写真 荒川正幸