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ナポリピッツァを作り続けて140年。「ダ・ミケーレ」ついに日本へ!

Pizzaといえばナポリ、ナポリといえばPizza。そう言っても過言ではないくらい、ナポリのピッツァは特別です。なにせ、ナポリはPizza Margherita発祥の地であり、数々の名店が軒を連ねているのですから。そんなナポリの中でも最も有名な店といえば、ここL’Antica Pizzeria da Michele(アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ)。まさに「世界一」と呼ぶにふさわしい名店です。

ナポリの「ダ・ミケーレ」で順番を待つ人々。いったん店内に入って人数を告げ、数字の書かれた紙をもらってその番号が呼ばれるまで外で待つのがルールです。店頭は常にこの状態だというから驚き!(写真はナポリ本店)

創業1870年。140年以上もの長きにわたり、頑固なまでに伝統的なナポリピッツァを作り続けるダ・ミケーレには、その味を求めて世界中の人々が行列を成しています。140年間、毎日のように。それでも、ダ・ミケーレはファミリーだけで伝統の味を守るというスタンスを保ち続け、2店目、3店目を出すことなくここまで来ました。

創業者ミケーレ・コンドゥッロ氏の孫に当たるルイージさん。現在89歳ですが、朝から店に立ち、ピッツァを作り続けている正真正銘のマエストロです(写真はナポリ本店)。

 
東京・恵比寿に2店舗目が誕生したのは、まさに夢のような出来事。各国から引く手あまたのダ・ミケーレが、なぜ日本を第二の地として選んだのでしょう。それは、もともとミケーレ一族が「伝統を重んじ、食文化を大切にする日本人の国民性」に共感し、日本に好感を寄せてくれていたことが根底にあるといいます。そんな中で、「大手」ではなく「個人」の信頼関係が築けた「バルニバービ社」とフランチャイズ契約を結び、門外不出のピッツァを直伝してくれたのです。

今年1月31日にオープンした恵比寿のダ・ミケーレ。世界中で、ナポリ本店とここでしか食べられない「本物のナポリピッツァ」を味わいに、日本中からお客さんが詰めかけています。

恵比寿店でも、小麦粉、トマト、塩、オイルといった素材は本店と同じものを輸送して使用し、チーズにいたっては朝ナポリで作られたばかりのものを空輸しています。もちろん、ピッツァ職人をナポリ本店に派遣して伝統の技を習得していますから、原料も製法も現地そのもの。


初めてダ・ミケーレのPizzaを食べたとき、生地そのものの味わいに心底驚嘆させられました。モチモチしていて、噛めば噛むほど深い味わい。もちろんソースのおいしさも特筆に値しますが、生地だけ食べてもおいしいと思えるほど、小麦の旨味が生きているのです。イタリア本店直伝の素材の味を生かした製法を採用しているからこそ、こんな風味になるのでしょう。今まで食べていたのは「Pizza」ではなく「ピザ」に過ぎなかったんだ・・・と思うほど、別物のおいしさです。

じっくり発酵させたナポリピッツァの生地は、非常にやわらかくデリケート。「ルイージさんの隣で生地伸ばしの修業をしてきました」と語るピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の一人 疋田将也さんが、発酵し終えた生地をリズミカルかつやさしい手の動きで、テンポよく延ばしていきます。この作業をガラス越しに眺めていくお客さんも多いとか。
生地を延ばしたらすぐにソースをトッピング。マルゲリータはトマトソースを均一に塗った後、モッツァレッラと粉末状のチーズをたっぷりと散らし、仕上げにバジルとオイルをかけて、そのまま流れ作業で石窯へ移します。

ピッツァ窯も本店と同じ。ナポリの職人が作ったものを船で運んだそう。燃料は、ピッツァの香りを損ねないような木材を使った、国内産の薪や木くず。ガスや電気、石油などの熱源は本物のナポリピッツァには御法度です。窯のそばに立っているだけでも熱気を感じるくらい、内部は高温になっています。長いパーラ(柄の長いヘラのようなもの)にピッツァをのせて窯に入れ、一時も目を離すことなくくるくると回しながら約1分弱でおいしい焼き色に。短時間で焼き上げるので、生地表面はパリパリ、中はモチモチ、ソースののった内側はふんわりしっとり、という理想的な状態に仕上がるのです。

 
 
ピッツァは1人1枚というのがイタリアの常識。シェアせず最後まで1人で食べきるので、切り込みは入っていません。恵比寿店でも、切れ目のない美しいマルゲリータが運ばれてきます。写真はマルゲリータDOPPIAサイズ 1,800円(NORMALEは1,450円)。
 
焼きたてのマルゲリータは、食べる前から「絶対においしいはず!」と確信できるくらいのいい香り!上の写真はナポリの定番であるDOPPIA(ドッピア)というサイズ。大皿からはみ出すくらいの大きさですが、本店ではこのマルゲリータ・DOPPIAがオーダー率No.1。具だくさんで生地の分厚いアメリカ的な「ピザ」に食べ慣れた日本人にとっては、大きさだけ見ると「食べきれない!」と思うほどのサイズですが、素材勝負のヘルシーなナポリピッツァは意外とお腹にもたれません。とはいえNORMALE(ノルマーレ)サイズでも十分に大きいので、まずはノルマーレを試してみるとよいかも。

周りの生地はパリッとしていますが、ソースの部分はとてもやわらかくジューシー!ナイフとフォークを使ってもいいし、こんな風に丸めて手で食べるのもおすすめです。

こんがり焼けた生地といい、トマトの酸味、にんにくの香味、チーズの濃厚な旨味が三位一体となったソースといい、非の打ち所がありません。フチの部分(通称コルニチョーネ/額縁の意味)がでこぼこして、ほどよく焦げ目が付いているのもナポリピッツァらしい特徴です。生地そのものも本当に美味なので、残したら絶対に損!

本店での様子。食べ方は、手でもナイフ&フォークでもOKですが、とにかく焼きたてを食べるのがナポリ人の信条。おしゃべりをやめて熱々のうちに味わい、食べ終えたらさっと席を立つ。これがスマートなやり方です(写真はナポリ本店)。

マリナーラ NORMALEサイズ 1,250円。マルゲリータもマリナーラも、この大きさ&味わいでこの値段なら、かなりお得感があります!

 
ダ・ミケーレが提供するPizzaはマルゲリータとマリナーラの2種類のみ。それだけ、素材の選定にも製法にも、これ以上はないというほどの徹底したこだわりが貫かれています。マリナーラは日本での知名度は高くありませんが、じつはトマトを使った最初のピッツァとして有名です。マリナーラが生まれたのは1750年頃のこと。生地にトマトソースをのせてオイルをかけただけの簡易なものだったといいます。ダ・ミケーレのマリナーラもシンプルそのもの。ソースの材料はトマトソース、にんにく、オレガノ、オイルだけ。その分、生地とソースのおいしさがそのまま味わえて、かなり美味です!

世界中で、ナポリと東京でしか味わえないダ・ミケーレのマルゲリータとマリナーラ。これはもう、食べてみるしかありません!

L’Antica Pizzeria da Michele(アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ)恵比寿店
東京都渋谷区恵比寿4-4-7 03-5447-3800

L’Antica Pizzeria da Michele ナポリ本店
Via Cesare Sersale, 1/3 Napoli Italy

撮影 SHIge KIDOUE
取材・文 山根かおり

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