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夏は、イタリアのスパークリングワインでギャザリング。泡に合う前菜レシピを紹介します!

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文=柴田香織 写真=吉澤健太

デザイナーのハヤシコウさん宅で夏フェスタ

 夏到来。シュワシュワのスパークリングワインがおいしい季節ですが、イタリアのスパークリングワインは、乾杯だけじゃもったいない。個性、バリエーション豊かで食中酒にもおすすめです。今回は、イタリアのスパークリングワインだけのパーティを、ハヤシコウさんにナビゲートしてもらいます。
 コウさんは、人気レストランの内装デザイナー、グラフィックデザイナーであり、おまけに調理師免許、ワインエキスパートの資格も持つ、多彩な食いしん坊クリエイターです。

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イラスト入り本日のメニュー。さりげないひと手間にデザイナーらしいセンスが光る。コウさんは、イラストを描きながらパーティメニューを考えることも多いそう。

 パーティは、ハヤシ家のテラスにて。世田谷の住宅街は高い建物がなく、のどかで穏やかな風景に心もリラックス。雨上がりの午後、本日のフードの準備が進むリビングを、気持ちの良い風が時々通ります。
 「この時期は、毎週のようにテラスでパーティやっていますね。実は先週も(笑)。野菜の生産者さんが、アーティチョークやパクチーの花を持ってきてくれました。そこの花瓶に咲いているのがパクチーの花で、花もパクチーの味がしますよ」。
 手渡された花、本当にパクチー味でした。どうやらハヤシ家には、おいしい食材やワインが自然に集まってくる模様。コウさんの見事な料理の腕前は、イタリア関係の仕事をしている仲間内では、実は周知の事実です。食いしん坊たちが、何やかや理由をつけてやって来ます。って、今回もですけどね。
 でも、自分は毎週のパーティなんて、とても無理。コウさん、大変じゃないですか?

 「毎週やっていれば、慣れます」。確かに。
 「100人やったら10人、20人は余裕です」。そうかもしれませんが。
 「仕込みを上手くやれば、意外と楽なんですよ」。それは知りたいかも!

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ゲストの集まり具合を見ながら〈ニョッコフリット〉を揚げる準備を始める。〈ニョッコフリット〉は、シンプルな揚げパンのようなもの。あらかじめ仕込んでおいた生地を伸ばし、適度な大きさにカット。イタリアで購入した真鍮のパスタカッターがカッコイイ。揚げ油に投入すると、生地がすぐにぷっくり膨らみ、いかにもおいしそう。キツネ色になったところを引き上げる。引き上げてからも熱で色が入るので、気持ち早く上げるのがコツ。

レシピ①:ニョッコフリット

小麦粉(強力粉:薄力粉=4:1。この日は200g:50g)、オリーブオイル(大さじ1)、牛乳(150cc)、塩(小さじ1)、ドライイースト(1g)を準備。イーストは、砂糖1つまみ、牛乳(20cc)を加え、あらかじめ一時間ほど発酵させておく。すべての材料をダマがなくなるまで混ぜ、数時間発酵させる。パスタ台に打ち粉をして生地を伸ばす。厚みは5㎜を目安に、均一でなくてもOK。適当なサイズの菱形(正方形でも可)に生地を切り、170〜180℃の油で揚げる。

ホストも楽しめる“ホムパ”の極意

 冷前菜については、前日に仕込みを済ませます。
「今日も出しますが、〈カルピオーネ〉はパーティにおすすめです。酢に一晩魚を漬けておくと、骨も気にせず食べられるくらい柔らかく、いい具合になります。メインの肉も塩漬けして、真空状態にして、火もあらかた入れてしまいます。そうすると当日は、さっと焼くだけです」。
 〈カルピオーネ〉は、日本でいう魚の南蛮漬けで、イタリアの沿岸部では、食事の前菜の常連と言っていいでしょう。ヴィネガーの爽やかな酸が、食欲を刺激します。メインの仕込みもしておけば、確かに当日は楽ですね。真空調理の器具は、さすがに普通の家にはないでしょうが、下味をつけてジップロックして、湯煎して空気を抜く、くらいは少し頑張ればできるかも。

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料理は大皿の取り分けより小分けにした方が、かえって場所をとらず機能的。ポーションごとに色彩バランスを考え、ひとつ一つ盛り付けていく。

レシピ②:アジのカルピオーネ

アジは三枚におろして軽く塩をして臭みを抜き、塩水で洗っておく。小麦粉を表面に叩いて揚げる。スライスした生のミョウガ、赤・黄のパプリカ、セロリをアジの上に並べ、白ワインヴィネガー、ニンニクのスライスを加えて全体を軽くあえ、一晩漬け込む。盛り付けるときに、細切りにしたセロリの葉をあしらう。

 準備の様子を見ていて、やはりここかな、と思ったのは、仕上げの丁寧さです。例えば〈トマトとお米のファルシ〉を、等間隔できっちりと並べたり、〈カルピオーネ〉の盛り付けもひとつ一つ、色彩のバランスを見ながら、器に入れていったり。ご本人は、いろんな話をしながらで、ほぼ無意識の動作に見えるのですが、その完成度はかなりのもの。そうすると料理がこんなに美しく、おいしそうになるんですね。

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目に鮮やかなトマトの器。緑色のセロリの葉も有効活用。それがずらりと整列した様子は圧巻!

レシピ③:トマトとお米のファルシ

炊いたお米(できればイタリア米カルナローリ)、オリーブオイル、出汁(イリコと昆布)、缶詰のツナを混ぜ合わせ、好みの味に調整し、中身をくり抜いたミディサイズのトマトに詰める。その上に、細切りにしたセロリの葉をあしらう。

前菜3種とスパークリング3種、おすすめの組み合わせは?

 さてさて、前菜が完成しました。本日の前菜は3種。揚げたニョッコを生ハムと合わせて食べる〈ニョッコフリット〉、ほんのり出汁が効いた〈トマトとお米のファルシ〉、南蛮漬けのような〈アジのカルピオーネ〉です。
 そしてその料理に合わせるべく、イタリアのスパークリングワインを用意。構成は、シャンパーニュ製法に則ったフランチャコルタ、軽快な飲み口のプロセッコ、イタリアらしい赤のスパークリングのランブルスコの3種。さて、どの前菜にどのスパークリングを合わせるのが、コウさんのおすすめなのでしょう。そしてその理由は? それは次回、パーティの様子とともに詳しく紹介していきます。

>>「イタリアのスパークリング3種と料理の相性とは? そしてホームパーティの極意も教えます!」はコチラ

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パーティ料理の仕上げは、器や皿で決まる。コウさん宅の特注クルミのボードは「ダークな色調で料理が映える」。

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用意したスパークリング3種。
右:〈モリン・プロセッコ・スペリオーレ・コネリアーノ・ヴァルドビアーデネ・エクストラドライ〉DOCG 2014/ザルデット。イタリア20州で最もワイン生産量の多いヴェネト州を代表する白のスパークリングワイン。ブドウはグレラ種(プロセッコ)100%で、このブドウの特色であるフラワリーさとミネラル感をよく反映。プロセッコの醸造で一般的なシャルマー方式(タンク内二次発酵)特有の軽快な飲み口がある。同社は、ブドウの旨味を最大限生かすべく特殊フィルターを独自開発。「爽やかな万能タイプです」。
中:〈ランブルスコ・ディ・モデナ〉DOC 2014 /カンティーナ・デッラ・ヴォルタ。エミリア=ロマーニャ州を代表するブドウの赤品種、ランブルスコ種の中でも、最も品質が高いとされるソルヴァーラだけを使用。同社はブドウの選果を厳しく行うことで知られ、かつ瓶内二次発酵方式で醸造するレアな造り手。繊細かつ複雑で、長い余韻を楽しむことができるランブルスコ。「非常にユニークで、いい造り手です。ボトルは昔ながらのシャンパーニュタイプを使っています」。
左:〈フランチャコルタ・ブリュット〉DOCG/ウベルティ。ロンバルディア州フランチャコルタ地方でフランチャコルタを名乗るスパークリングワインは、すべて瓶内二次発酵方式で醸造される。ブドウはシャルドネ、ピノネロ、ピノビアンコの3種を使用。フランチャコルタの法定熟成期間は18カ月以上で、シャンパーニュよりも3カ月長い。「ウベルティは、一般的なブリュットタイプでも旨味がしっかりあります。寿司や和食にもよく合いますね」

ワインの問い合わせはすべて La Cantina BESSHO ☎03-3401-1991