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これぞ本物のエスプレッソ&カプチーノ KIMBOバリスタ競技会から目が離せない!

8月1日から、ナポリを代表するコーヒー豆・KIMBOの名を冠した「KIMBOバリスタ競技会」(主催:モンテ物産)の予選が各地でスタート、FIATも後援しています。競技会で審査される「最高のイタリアン エスプレッソ、カプチーノ」とは?

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目指せ、本物のバリスタ!

今まさに、全国7会場で繰り広げられているバリスタたちの熱き闘い。予選通過者は11月9日の決勝大会へ進み、優勝と準優勝の2名にはナポリ研修旅行の権利が与えられます。本場ナポリでさらに技を磨くチャンスが待っているとあって、「我こそは!」と名乗りをあげた精鋭が腕を競い合っています。

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審査員を務める「IIACイタリア国際カフェテイスティング協会認定講師・マスタープロフェッショナル」の中川直也氏。今回はイタリアン エスプレッソ、カプチーノの定義や、競技会でのポイントを解説していただきます。

日本でもバリスタという名称は浸透していますが、残念ながらイタリアでも通用するような“本物のバリスタ”はまだ少ないのが現状です。

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当日の様子を想定し、本番の流れを実演していただきました。まずは豆を挽き、細かさなどをチェック。「理想的な状態になるよう、何度か抽出をしながら粉の粗さ・量を調整していきます。その日最初のお客様から最高のカッフェを提供できる準備を毎朝必ず行う、これはバリスタの常識です」と中川さん。

「競技会では、おいしいかどうかを個人の主観で決めるのではありません。まず、競技前に審査員全員でオリエンテーションと味見をして、基準を定めます。その上で、国際カフェテイスティング協会による評価基準に則って、見た目、飲む前の香り、口に入れたときの口当たりや味、飲み終えた後の香りのボリューム感などを客観的に見ていきます。相対的ではなく、絶対的なジャッジを行うのです」

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競技会ではイタリアを代表する、ナポリ「KIMBO」の豆4種類を使用。「参加者は好きな豆を選べますし、その豆を使った理想的な味も事前に体験できるイベントを実施していますので、そこを目指して練習を積めます」

味はもちろん、立ち振る舞いや雰囲気作りも重要

一般的な大会はいきなり予選ですが、KIMBOバリスタ競技会では各地でワークショップを開催。「審査用の豆を実際に使い、審査ポイントや知識も共有して、目的意識を明確に持っていただきます。優勝するための技ではなく、可能な限りイタリアンバールとしての在り方を追求してほしい。雰囲気、味、立ち振る舞い。たとえ予選に落ちたとしても、競技会に出ることで全体のスキルをあげてほしいのです」

競技会では、準備に10分、エスプレッソとカプチーノ4杯ずつの提供までに各10分の持ち時間が与えられます。準備の10分というのがじつはとても重要だそう。「マシンや粉を最高の状態に持っていかなければ、お客様に提供することはできませんから」

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最初はカップを置かずに落ちる状態をチェック(写真左)。「これで豆の粗さが理想的かどうかなどを見ます」。続いてカップを置き、抽出時間と出来上がりをチェック。「理想は艶やかで美しいキャラメルの色。薄いと抽出不足の可能性、濃くて白濁点があると抽出過剰の可能性があります」

バリスタがいる店といない店とでは、仮に同じマシンや豆を使用していたとしても、圧倒的な違いがある、と中川さん。「バリスタがいなければ、全自動マシンの電源だけ入れたら終わり。味見もしないので、本当においしいかどうか保証はありません。バリスタはまず自分が試飲して満足できる一杯を淹れます。その日の温度や湿度、豆の状態などで絶対に味が変わるので毎日確認するのは常識なのです」

最高のエスプレッソとは?

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中川さんによるエスプレッソの最高の見本(左)と悪い見本(右)。見た目もまるで違いますが、味にはさらに明白な差異が。見本の美味しさに感動しました。

左はきめが細かくなめらか、クレマに程よい厚みと粘性もある理想的な一杯。エスプレッソの基準である「25cc前後」という量は見た目にも結構少ないです。右は、あえて35ccで抽出したもの。過抽出で、ツヤもなめらかさもありません。「量が多いほうがたっぷり飲めていいのでは?」なんて思うのは間違い。多いのは単なる「出がらし」なのです。

飲み比べるとさらにびっくり。最高の見本は、砂糖を入れてかき混ぜると、あとは一気に飲み干したくなるほど美味なのに、悪い見本は・・・本当に同じ人が同じマシンで淹れたのか疑ってしまうほど。薄い上に渋くて苦いのです。「抽出が長すぎると水溶性のカフェインが増えてイガイガします。正しいエスプレッソは25cc前後、と規定されているのはそれが味の鍵を握るから。ちゃんと理由があるのです」なるほど、飲み物というより一口チョコの感覚。イタリア人が1日に3〜5杯飲むというのもうなずけます。

イタリアのカプチーノにラテアートはない

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中川さんの手による最高のカプチーノ。「いろいろな店でこのくらいおいしいカプチーノが飲みたい」・・・そう思うと、今回の競技会でどのバリスタが評価されるのか、動向が気になってきました。

今回、カプチーノの規定については省略しますが、重要なのはエスプレッソとフォームミルクが均等に混ざり合うように注ぐこと。それ以外の細かい規定もすべて満たして中川さんが淹れてくださったカプチーノは、実際言葉を失うくらいのおいしさと美しさでした。

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「ミルクの泡立ちや厚みはもちろん重要ですが、注ぎ方だけでも味わいは全く変わってしまいます。対流をこわさないように正しく注がない限り、完璧なカプチーノは淹れられません」

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カプチーノは飲む前にとにかく混ぜる! エスプレッソとフォームミルクのバランスがとれたカプチーノは素晴らしくマイルド。写真のようにしっかりした泡、これが理想的なイタリアン カプチーノなのです。

「泡の厚みは1.5〜2cmが基準。日本ではラテアートばかりがもてはやされますが、あれは泡が薄くなければうまく描けませんから、そもそも目指すところが違います。なめらかできめの細かいミルクの泡と、理想的な状態のエスプレッソ。それをスプーンでカップのフチから全体的にしっかりかき混ぜて、絶妙なハーモニーを味わうのがイタリアンスタイルのカプチーノなのです」

優勝してナポリへ行くのは誰!?

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味や見た目以外にも、所作などが細かくチェックされます。中川さんをはじめ審査員はイタリアン エスプレッソ界のレジェンドばかり。緊張感が漂う場面ですが、どの選手が優勝するか・・・楽しみです。

審査する側である中川さんによるパーフェクトな実演を拝見していると、「この競技会で活躍することは“本物”として認められたひとつの証。本物のバリスタがいる店が増えることは、消費者にとっても喜ばしいこと」というのを納得しました。

日本にイタリア生まれのおいしいエスプレッソやカプチーノがさらに広まるといいですね。FIATも、その一翼を担うバリスタのみなさまを応援しています。決勝の様子もレポートしますので、お楽しみに!

撮影 SHIge KIDOUE
取材・文 山根かおり
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