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イタリアで世界一に挑むヤングシェフ日本代表が決定! 「サンペレグリノ ヤングシェフ 2016」日本地区大会開催

イタリア生まれのファインダイニングウォーター「サンペレグリノ」は、30歳以下の若手料理人から世界一を決めるグランドファイナルに向け、日本代表を選出するための地区大会を6月29日に開催。イタリア・ミラノでのグランドファイナルを目指し、日本代表候補者の10名が火花を散らしました。その模様を報告します。

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参加者と審査員が一堂に会し、地区代表を決める。

今年で2回目となる「サンペレグリノ ヤングシェフ」では、次のような審査によって若手料理人の世界一を決めます。まず、世界を20の地区に分類し、書類審査によってそれぞれの地区のファイナリスト10名を選出。次に、各ファイナリストが実技を競い、1名の地区代表を決定します。そして各地区から選ばれた20名の代表がイタリアのミラノに集い、世界一を競うのです。

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130カ国以上で販売される「サンペレグリノ」は、世界中の美食家に愛飲されるファインダイニングウォーター。

「サンペレグリノ」を世界中で販売するサンペレグリノ社は、「才能あふれる若手料理人の発掘と、美食文化のさらなる発展」を目的に、本コンクールを開催しているとのこと。

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日本代表の座を賭けて競う、若き10名のシェフたち。

ここでご報告するのは、日本地区のファイナリスト10名から1名を選ぶ地区大会です。決戦の舞台は、代官山の「ル・コルドン・ブルー東京校」。10名が渾身の力で用意するひと皿を、3名の超大物シェフが審査します。

権威ある「世界のベストレスラン50」に選ばれている「NARISAWA」の成澤由浩シェフと「日本料理 龍吟」の山本征治シェフ、そして数々のシェフ賞に輝いた「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のルカ・ファンティン シェフは審査がスタートする前に、ファイナリストに向けてメッセージを送りました。

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審査員の3名。右から山本さん、成澤さん、ルカさん。

「日本らしさをしっかり出すように考えてください」(成澤さん)
「料理は人の心を幸せにできることを胸に刻んでください」(山本さん)
「強い想いがあれば夢に届く、というエールを送りたいです」(ルカさん)

参加者は1時間でひと皿の料理を仕上げ、3名の審査員に提供。審査員は、参加者に質問をしながら試食をします。ひとりずつ審査ができるように、料理が完成する時間は10分ずつずれるようにスケジューリングされています。

さあ、いよいよ調理時間がスタート。ル・コルドン・ブルー東京校の調理室で、若いシェフたちが料理にとりかかります。

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調理および審査の順番は公正にくじ引きで決める。

参加者の表情は、真剣そのもの。全員が少し緊張しているように見受けられます。でも、それも当然でしょう。オリンピックに例えれば、この場は日本代表選手を決める選考試合と同じ。だれもがここで代表の座をつかみとりたいのです。

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参加者の調理方法について意見を交わす山本さん(右)と成澤さん。

ある程度の時間が経過すると、3名の審査員が調理室に入り、参加者たちに質問をします。
「この素材を選んだ意図は何ですか?」
「この加熱時間は、何度で何分ですか?」
調理をしながら、参加者たちはこうした質問に正確に答えなければなりません。なぜなら審査の基準には、料理の味だけではなく、料理に対する考え方まで含まれるからです。

審査員の目と質問、そしてたくさんの報道陣のカメラなど、参加者はいままでに感じたことのない緊張感を感じたはずです。

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群馬から参加した浜本拓晃さんに調理方法を尋ねるルカさん。

料理が完成すると、盛りつけをして、審査員に運びます。美しさも審査の対象ですから、盛りつけも重要です。

そして参加者は、試食をする審査員の前に立ちます。3名の審査員は、盛りつけや味から感じた疑問を、参加者に尋ねます。たとえば、こんな質問が出されました。
「ミラノのグランドファイナルは秋だけど、この素材は手に入ると思いますか?」
「審査員のなかには、ひと口だけしか食べない人もいます。その時、この皿のなかの何を食べてもらいたいですか?」

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試食しながら、参加者に鋭い質問を投げかける審査員たち。

10名がつくった料理の試食と質問が終わると、審査員は控え室で審査に入ります。料理を作る挑戦者が本気なら、選ぶ方だって真剣です。結果発表の予定時刻を10分過ぎても、20分過ぎても、審査員がなかなか戻って来ません。主催者からは、「審査で意見がわかれているので、もうしばらくお待ちください」というアナウンスがありました。

そして予定時刻を小1時間ほど過ぎた頃、いよいよ発表がありました。

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仕上げを終え、審査員にサーブする古屋聖良さん。

日本代表の座を射止めたのは女性シェフ、学士会館に勤務している古屋聖良さんです。“The Four Seasons in Japan”と名付けられた古屋さんの料理は、鴨肉を4通りの調理方法で四季を表現するというものでした。

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古屋聖良さんの作品“The Four Seasons in Japan”(日本の四季)。

メンターシェフとして、グランドファイナルまで古屋さんに指導をする成澤シェフが、今回の総評を述べました。

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古屋さんを代表に選んだ理由を成澤さんが説明する。

「日本の代表を決めるという責任の重さを感じて、審査に時間がかかってしまいました。日本を語る上で料理の組み立てがきちんとできているかという視点で、最終的に結論を出しました。ただ、古屋さんはここにいる10人だけでなく、日本全国にいる若きシェフたちの代表でもあります。これを肝に銘じて、本番まで精進してください」

これを受けて古屋さんは、「大変光栄です。これからもっと勉強して、いいものをつくりたいと思います」と、世界一に向けての決意を語りました。

グランドファイナルはこの秋、10月13日から15日にかけてイタリアのミラノで行われます。古屋さんへのたくさんの温かい拍手が、世界へ挑む日本代表への期待の高さを表していました。

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10月のグランドファイナルに向けて、古屋さんの新たな挑戦が始まる。

取材・文 サトータケシ
写真 中島伸純