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イタリアンバール「ピエトレ・プレツィオーゼ」で、バールデビュー!

イタリアの素敵なバール文化をお伝えする、バリスタ中川直也さんとの連載第3弾。今回は、バールをもっと身近に感じ、気軽に通っていただくために、中川さんご推薦の「ピエトレ・プレツィオーゼ」をご紹介。あなたもバールデビュー、してみませんか?

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「イタリアのバールは、コーヒーを飲むためだけの場ではありません。訪れるシーンもさまざま。朝から晩まで、自由なタイミングで何度も立ち寄ります。エスプレッソがおいしいのは当たり前で、それ以外のドリンクも種類が豊富だし、ドルチェもあるし、アペリティーボ(本来の意味は食前酒。転じて、夕刻のHappy Hourのようなもの)を楽しむための小皿料理やお酒も充実している。そしてもちろん、バリスタがお客様とコミュニケーションを取りつつ楽しませてくれる。そんな多彩な時間を日常的に提供するのが、イタリアのバールなのです」

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〈写真提供:モンテ物産〉

中川さんにバールの話をうかがうと、日本にもそんな場所がもっと増えたらいいな、と感じます。一日に何度でも立ち寄りたくなる行きつけのバール。自分にもそういう場所がほしいですよね?

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バンコでエスプレッソ。「初めての店だと、カウンターに陣取るのはドキドキするかもしれませんが、ぜひ挑戦してみて!」と中川さん。

本格派バール「ピエトレ・プレツィオーゼ」

今回ご紹介するのは、広尾にあるピエトレ・プレツィオーゼ。南イタリアをテーマにした、中川さんもおすすめの本格派です。バンコ(カウンター)での立ち飲みなら、エスプレッソはなんと100円!

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エスプレッソ1杯でも気軽に立ち寄れるのがバールのよさ。もちろん味は保証付き。前回の記事でも紹介したように、砂糖をたっぷり入れ、しっかりかき混ぜてから召し上がれ。

「たったの100円? だったら飲んでみようかな、というきっかけになったらいいなと思って」とオーナーバリスタの阿部さんは言います。

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「ピエトレ・プレツィオーゼ」オーナーバリスタ、阿部圭介さん。日本バリスタ協会公認インストラクター、デロンギ・ジャパンの公認デモンストレーターなども務めています。「相棒」と呼ぶエスプレッソマシンで淹れるカフェはどれも絶品。

ピエトレ・プレツィオーゼはオープンして3年目。阿部さんはそれまでにピッツェリアやトラットリアなどでも経験を積みました。「バリスタはその場の空気感を演出すべき存在です。ワインや料理の知識も必要だし、接客の仕方も身に付けないと」

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エスプレッソにキメ細かく泡立てたミルクを加えたカプチーノ。バンコなら350円(テーブル席は、スタンダード550円、グランデ650円)。トップ写真のFIATラテアートはこちらから依頼したわけではなく、阿部さんの心遣い。来店時にお願いすればFIATと描いてくれるそう。そういう小さな気配りも、バリスタがいるバールならではの楽しみですよね。

日本では、バリスタ=エスプレッソを淹れられる人、いろいろなカフェメニューが作れる人、といった断片的なイメージが先行しがちですが、それらはほんの一部で、できて当然の技術に過ぎないのです。

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イタリアのバールのように自由な使い方を!

「日本ではラテアートばかりが注目されがちですが、イタリアのバールでは見かけません。人気店では朝だけで300人とか、そのくらいの人数をさばくんですよね。一日だと1000人以上。それだけの人に対して、落ち着いた美しい動きで、安定した味わいを提供するわけです。ラテアートなんて描いていたらお客さんに怒られちゃいます(笑)」と話す中川さんに、阿部さんも「ホントにそうですね」と応じます。

「イタリアのバールの賑わいは、日本の比じゃないですよね。お客さんが途切れることなくやってきて、同じ人が何回も訪れる。あっという間に人の壁ができ、いろいろなところから手が伸びてきて、自分のエスプレッソを待っているっていう。うちはそんな大人数はさばかないのでラテアートも描きますが(笑)、遠慮なくしっかりかき混ぜて、絵よりも味を楽しんでください」

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カウンターに並ぶイタリア各地の伝統菓子。カフェと一緒にぜひ味わいたいおいしさです。カクテルの注文もお気軽に。バリスタはもともとバーテンダーから派生した職業ですから、お酒にも詳しいのです。

カフェメニューが充実しているだけでなく、シェフが作る料理やドルチェも評判です。

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ランチメニューのひとつ、ピアーダ(ポテト、ドリンク付きで800円)。この日の具はモルタデッラとトマト。生地のもちもち感、モルタデッラの塩加減が絶妙で、おいしいです。「大きさによってピアディーナともいいますが、うちではピアーダ。鉄板にピザのような生地を伸ばし、具材をのせて二つ折りにして食べるサンドイッチです。イタリアには専門店もあって、いろんなトッピングで気軽に楽しまれています」

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フォカッチャのサンドイッチ(この日の具はカポナータ)。ミニサラダと小鉢(ピクルスなど)、ドリンク、さらにイタリアのミネラルウォーターが1本付いて、1000円。「水は、微発泡か発泡なしかを選んでいただきます。ペットボトルなので飲み残したら持ち帰れるし、とくに微発泡タイプは食事にも合わせやすいさわやかな味で、お客様からも喜ばれています」

「イタリアの人は、お昼でも店をハシゴするのが普通なんです」と阿部さんが教えてくれました。お昼も、ですか!? 「夜はもちろんですが、昼でもほぼ間違いなくハシゴしますね。たとえばトラットリアでパスタを食べて、ドルチェやジェラートは別の店、その後バールで〆の一杯とか。専門店が多い国ですから、みんな上手に使い分けているんです」

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ランチタイムにもアンティパストをオーダーできます。左は前菜3種盛り(500円)、この日はアスコラーダ(肉詰めオリーブのフライ)、小玉ねぎのマリネ、グリーンピースとインゲン豆のソテー。右はひよこ豆のペーストを揚げたシチリア名物、パネッレ(400円)。以前ご紹介したbaladinのビールも各種揃っているので、一緒にどうぞ!

「うちの店も本来のバール使いのように、エスプレッソとドルチェを軽くとか、レストランに行く前のアペリティーボとか、〆の一杯とか、自由な使い方をしていただきたいですね。しっかりお食事をしたい方のために料理やワインも充実させていますが、ほんの短い時間、気軽に立ち寄れるのもバールのよさなので。最近は実際にそういうお客様も増えてきて、たとえばビールやアペロールを1杯だけ飲んで、近所のレストランで食事して、最後にまた戻ってきて食後酒やエスプレッソでしめて帰られる。バールらしい使い方をしてくださっていて、とてもうれしく思っています」

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セラーには、南イタリアにこだわってセレクトされたワインがずらり。グラスでも提供してくれるので、気軽にあれこれ試せるのがうれしいですね。

「もう15年以上前の若かりし頃、ヨーロッパの方が多数来店される都内のカフェで働いていまして。まだ接客の何たるかもわかってなくて、緊張感から、お客様と目を合わせないままエスプレッソを出してしまったんです。そしたらその人が怒って、コーヒーをぶっかけられちゃった。ただ作って出せばいいんじゃない、ここでの時間を楽しむために来てくださっているんだ、と思い知らされました。あの苦い経験が、逆にいいきっかけになりました。目も合わさない接客なんてあり得ないですよね、今思えば。そのお客様ですか? もちろん、イタリアの方でしたよ(笑)」

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FIAT 500 発見! 店内は禁煙なので、子連れでも安心して立ち寄れます。

若い頃の失敗談も交えながら、気負わぬ空間を演出してくれるバリスタ。空間は人が作り出す、そう実感しました。バールが初めての人も、行き慣れている人も、楽しくおいしいイタリアン・バールでのひとときを、ぜひ味わいにいらしてください!

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ピエトレ・プレツィオーゼ
東京都港区南麻布4-2-48 TTCビル
TEL 03-6277-1513
11:00 ~ 23:00(L.O 22:00)、日曜定休(祝日は営業)

最後に、イタリア好きなあなたに耳寄りな情報を。5月28日(土)、29日(日)の2日間、日本とイタリアの国交樹立150周年を記念した大規模なイベント「イタリア・アモーレ・ミオ!」が六本木ヒルズにて開催されます。詳しくはこちらを!

撮影 SHIge KIDOUE
取材・文 山根かおり
matricaria

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