ゆっくり生きよう・にっこり走ろう

人にも環境にも自分にも優しくいきる。それがフィアットカルチャーです。

メゾンボングゥのコンフィチュール 丁寧に閉じ込めた果実のおいしさ。

子どもの頃に食パンに塗って食べていた、いちごジャム。ねっとりと固まって、やたら甘くて、あれはあれでおいしかったけれど、大人になってから初めて「コンフィチュール」を食べたとき、「あの“ジャム”とは別物だ!」と思ったもの。コンフィチュールって、ジャムをオシャレな言い方に変えただけじゃないんだ、と知ったのです。

今回ご紹介するのは、FIAT 500(チンクエチェント) が元気に走る姿も多数見かける茅ヶ崎に、1年ほど前にオープンしたパティスリーMAISON BON GOUT(メゾンボングゥ)のコンフィチュール。

菓子職人としてそれぞれに経験を積んだご夫婦が営むメゾンボングゥ。こじんまりとセンスのいい店内に、プチガトー(小さなケーキ)、ホールケーキ、焼き菓子、パン、チョコレート、砂糖菓子などがぎっしり並んでいます。中でもコンフィチュールは種類も豊富!

 

コンフィチュールとは

英語のjamは「ぎっしり押し込む」といった意味があり、実際、従来のジャムは素材を砂糖と煮込んでペクチンなどでぎゅっと凝固させたもの。一方、フランス語のconfiture(コンフィチュール)は砂糖や酢、油などで食材を風味よく漬け込むという調理法、confit(コンフィ)から生まれた言葉です。ゼリーのような状態のジャムと違い、コンフィチュールはフルーツの形がしっかり残り、ナッツや香辛料、リキュール、ハーブといったフルーツ以外の要素も加えることで、フレッシュでありながら複雑で個性豊かな香りと味が楽しめるようになっています。

メゾンボングゥのコンフィチュールは約40種類。フィグ、アプリコット、りんご、ベリー、マンゴー、洋なしなど、気になるフルーツがずらり。手書きの説明が添えられていて、どれもこれも試したくなってきます。1瓶830円〜。

たとえば同じマンゴーでも、組み合わせ方で種類は無限。パッションフルーツと合わせたり、オレンジやカルダモンと合わせたり。フルーツ単独で味わうよりも複雑で、しかも、それぞれの味が直接出るのがコンフィチュールの魅力。ラベルの文字もすべて手書き。想いが伝わります。

メゾンボングゥのコンフィチュールは本場フランス仕込み。奥様の雪子さんが以前働いていた、日本でもファンの多いMaison Ferber(メゾン・フェルベール)にインスパイアされています。「このフルーツにはこの香辛料が合いそう、この素材とあの素材を組み合わせたら互いが引き立つかな、など、自分の中で味の引き出しを増やしていく感じ。そうして、おいしい組み合わせを編み出していくことが何より大切だし、楽しいです」

左はほどよい酸味が女子受けしそうなカシス エ ライチ。瓶の中では淡いライチと鮮やかなカシスが二層になっていて、見た目もきれいです。右はシトラス ジャンジャンブル。ジャンジャンブルとは生姜のこと。スライスした生姜と国産レモンがそのまま入り、サラッとした液体に仕上げられています。お湯や紅茶、ホットワインに加えるのも美味。

 

コンフィチュールの特徴は、果肉の残る鮮度感と個性豊かな風味。口にすると、砂糖の甘さではなく、フレッシュな果物らしい甘さを感じます。糖度は専用の器具で測って決めるそうで「フランスだと糖度が68くらいあるコンフィチュールが多いですが、それだと砂糖菓子と同じぐらいの甘さがあるんです。私がおいしいと感じるのは56〜58。なので、うちのコンフィチュールもそのくらいにしています」そして形状は、ジャムに比べるとサラッとしています。ちょうどいい甘さとちょうどいい濃度。その「ちょうどいい具合」が、おいしさの秘密なのです。

コンフィチュールといえば、スコーン(1個180円)。クロテッドクリームを添えるのをお忘れなく。マスカルポーネやクリームチーズでもおいしいです。今回は、洋なしとマダガスカルヴァニラの上品な甘さと香りがたまらない、ポアール ア ラ ヴァニーユのコンフィチュールと。この組み合わせでいただくスコーン、最高です!!

 

使い道たくさん! 好みに合わせて使おう!

パンやヨーグルトとはもちろん合いますが、ほかに使い道がどんどん広がるのもコンフィチュールの魅力です。マフィンやスコーン、パンケーキに合わせたり、パウンドケーキやバウムクーヘンなど素朴な味の焼き菓子にソースとして添えたりするのもおすすめ。

左はキウイ、アナナ(パイナップル)、パンプルムース(グレープフルーツ)という3つのフルーツを合わせた、いろんな味わいが一挙に楽しめるコンフィチュール。右は、紫いちじくを活かしたフィグ エ ヴァンルージュ。いちじくをホットワインで煮込んだイメージで、クリーミーなチーズにぴったり。

 

チーズとの相性も抜群。クリームチーズやカマンベールにはもちろん、多少クセのある青カビ系のチーズにもよく合います。そのままお湯やソーダで割ったり紅茶に加えたりして、色鮮やかでおいしいドリンク作りに活用しても。

紅玉の真っ赤な皮の色をうつしながらじっくり煮上げた、美しい色合いのポム ダムール。りんごのおいしさがたっぷり味わえます。ハード系のパンやチーズにはもちろん、鶏肉や豚肉との相性もいいので、ぜひソースにも活用してみたい一品。

 

バルサミコ酢やオリーブオイルなどと合わせれば、ソースやドレッシングとしても大活躍。とろみがほしいときはバルサミコを少し煮詰めればいいし、もし時間がないときは、コンフィチュールをそのまま添えるだけでもおいしいアクセントになります。

店で一度に仕入れる瓶は800個。「この1年でそれを4回頼んだので、あぁそんなにたくさん仕込んで、そんなにたくさんの方に食べていただいたんだなーとしみじみ思いました」 この瓶はリサイクルされるので、空き瓶を10個持参すると「お好きなケーキ1個」と交換してもらえます!

 

果皮、果実、果種をひとつひとつ丁寧に下処理し、フルーツの甘さや香りをぎゅっと閉じ込めるつもりでつくっている、というメゾンボングゥのコンフィチュール。一度に下処理するフルーツは10キロ、20キロ単位になりますが、調理する際は家庭にあるような小鍋を使い、何回にもわけて行います。「少しずつ煮込まないと香りが飛んでしまうので」

フルーツって本当においしい。ここのコンフィチュールを食べていると心底そう思います。何もしなくてもおいしいフルーツに、もっともっとおいしくなる工夫を丁寧に施してあるのですから。この幸せ、あなたもぜひ味わってみてください。

MAISON BON GOUT メゾンボングゥ

神奈川県茅ヶ崎市松ヶ丘1-10-1
TEL 0467-53-9215
FAX 0467-53-9216
10:00~19:00(月曜日定休)
FAXかTELにて、コンフィチュールや焼き菓子の発送も受け付けています。

※最寄りの駐車場は、茅ヶ崎市東海岸南5-8457
9番と18番に駐車できます。

撮影 SHIge KIDOUE
取材・ 文 山根かおり

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