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アウトドアでエスプレッソを楽しもう!

イタリア人のコーヒー好きは有名な話。そんな彼らの日常に欠かせない家庭用エスプレッソマシンは、日本人にも大いにおすすめしたい手軽かつ本格派の道具です。直火式なのでアウトドアでもおすすめ。愛車に載せて出かけてみませんか?

イタリアンクロスオーバー「500(チンクエチェント)X」が颯爽と日本デビュー。後席が広々し、乗り降りもしやすい5ドアボディは、アーバンドライブはもちろんアウトドアにもぴったりです。パワフルなエンジン、広々としたラゲッジルームで家族そろっての長距離ドライブもラクラク!

そんな「500X」の登場に合わせ、今回はイタリアン・スタイルを取り入れたおいしいアウトドアコーヒーの楽しみ方をご紹介します。

おじさんが目印の本格派エスプレッソマシン!

イタリアの家庭にはどこでも必ずあるといわれるマキネッタ。日本語にすれば直火式エスプレッソマシンです。“おじさんのイラストが描かれたあの道具”といえば、ピンと来る人が多いかも。マキネッタ自体はさまざまなメーカーから出ていますが、イタリアでは「マキネッタ=おじさんマークのあれ」というほどの定番で、サイズ違いでいくつも揃えている家庭も多いとか。

メーカーはBialetti(ビアレッティ)社。そもそもマキネッタのオリジナルを開発したのがビアレッティであり、他メーカーはその原型に追随したのです。

イタリアの国内シェア70%以上というビアレッティ社のマキネッタ(写真は4cup用)。正式には「モカ・エクスプレス」または「モカポット」という名の道具です(MOKA EXPRESSはビアレッティ社の商標)。イラストの“おじさん”は同社の創業者アルフォンソ・ビアレッティ氏がモデル。

初代「モカ・エクスプレス」が登場したのは1933年。鋳物工場を営みアルミ加工に長けていた創業者のアルフォンソ氏が、当時の洗濯機を眺めていた際にその原理を応用したエスプレッソメーカーの開発を思いついたといいます。アルミボディに独特な八角形のフォルムは現在のデザインとほぼ同じ。当時、エスプレッソといえばバールで飲むのがイタリア人の常識で、家庭ではナポリ式といわれるドリップ方式のコーヒーメーカーが使われていましたが、エスプレッソとは旨味が異なるうえ抽出に時間がかっていました。

そんな時代に登場したモカ・エクスプレス。「家庭でエスプレッソが味わえる!」と瞬時にイタリア人の心をとらえ、全土に広まったのでした。バールで味わう本格的なエスプレッソとは違い、モカ・エクスプレスで淹れたモカ・コーヒーは家庭の味。手早くおいしく淹れられて、日々のコーヒーブレイクに欠かせない存在なのです。

お店で提供されるエスプレッソとはまたひと味違う「自分だけの味」を生み出せるモカ・エクスプレス。気軽にかつ愛着を持って長く使える道具です。直火式なのでアウトドアでコーヒーを淹れるのにもイチオシ!

アウトドアで実際に使用!

モカ・エクスプレスは1杯用から2、3、4、6、9、12、18杯用まで8つのサイズがあります。圧力をかけて抽出するため、たとえば6cup用の道具に3杯分のコーヒー粉を入れて作ることはできないので、使い方や人数によって選びましょう。今回は4cup用をクルマに積んで出かけ、アウトドアで淹れてみました。

ちなみに、新品で淹れた場合、最初はどうしても金属臭が出てしまうので、はじめの2〜3杯は「おいしさへの準備」と考えて飲まずに捨ててくださいね。使い込むうちにどんどんおいしくなり、「自分だけの味」が出せるようになります。

まず上部のポットをはずし、下のタンクに水を入れます。内側にラインが付いているのでそのラインまで(ラインがない製品の場合、安全弁より下の位置まで)。水を多く入れすぎないように注意してください。

じょうご状になっているフィルターに、エスプレッソ用もしくはイタリアンローストのコーヒー豆をパウダー状に挽いてスプーンですりきり一杯入れます。エスプレッソマシンの場合がっちり固めますがモカ・エクスプレスはふんわりと。

上部をまわしてできるだけ強く締めます。ここできちんと閉めておかないとタンクと上部の接合部から蒸気やコーヒーがもれることがあるので要注意。コンロの大きさと合わない場合、ぐらつかないように別売りのアジャスターや焼き網を敷いて。火加減は弱火。ゆっくりじっくり抽出しましょう。

構造は非常にシンプルですが、本格的な味わい。エスプレッソは圧力をかけて素早く抽出するため、じつはカフェインも控えめです。深煎りのおいしい豆で淹れて、たっぷりの砂糖とともにめしあがれ。

ほんの4〜5分で、完成。途中で蓋は開けられないので、慣れるまでは火を止めるタイミングがわかりにくいかもしれません。目安は、水が沸騰してくると聞こえてくる音。ボコボコという音がしたら抽出が始まったサイン。圧力でお湯が押し上げられる途中でコーヒー粉の入ったバスケットを通過することで上部にコーヒーが吹き上がるというしくみです。この音が聞こえてしばらくしたら火を止めます。

ストレートで飲んでももちろんおいしいし、泡立てたミルクをたっぷり加えてカプチーノにしても。電池式のHARIOのクリーマーZはとても泡立ちがいいのでおすすめ。ミルクと砂糖でつくるカフェラッテも手軽でおいしくて、忙しい朝にもぴったりです。

日本に急須があるように、イタリア人の家庭には必ずあるといわれるモカ・エクスプレス。デザイン的な評価も高く、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品にも選ばれています。日本人にとっては「見たことはあるけど良さや使い方を知らなかった」という道具のひとつかもしれませんが、毎日何度もコーヒーを楽しむイタリア人が愛用しているほどですから、本当に手軽。使えば使うほど道具としての味わいが増し、もちろんそれで淹れるコーヒーも年々味わい深くなっていきます。家庭によって、淹れる人によって、風味も変わるといいますから、ぜひ自分だけの味をつくってみてください。

本国のFIATとBIALLETIは、以前コラボレーションして電気式のモカ・エクスプレスを販売していたことも。黒、白、赤の三色がありいずれも人気を集めましたが、現在は残念ながら廃盤。持っている方はとても貴重ですね!

アウトドアで飲む淹れたてのコーヒーは格別。多少吹きこぼれても気にならないし、抽出されるときのボコボコいう音といい、漂ってくるコーヒーの香りといい、なんともいえず贅沢な気持ちになれます。

愛車にコーヒー道具を一式入れて、さぁ、どこに出かけましょうか?

BIALETTI JAPAN

撮影 SHIge KIDOUE

取材・文 山根かおり
matricaria